加工を終えたIt's my knife のハンドル部分には木肌を保護するため、各種ニスやオイルやワックス、ニスを塗っていただくことをお勧めしております。
塗装の役割は2つです。 1つめ保護するため。 2つめは美しく見せるためです。 塗装をしていない木地の状態のままだと、水分がそのまま染みこむので汚れの原因になったり、キズが付いてしまったり、日光に当たる事で日焼けして変色します。 例えば塗装をしていない木製ハンドルの上にお醤油などをこぼすと、染みこんでシミになってしまいます。 また塗装をするとツヤが出て木目を美しく際立たせてくれるので、木を保護して使いやすくするために塗装が必要です。
代表的な塗装として以下の4つを順に解説していきます。
ウレタンニス仕上げ
ラッカー仕上げ
ワックス仕上げ
オイル仕上げ
それぞれの特性を以下にご説明します。
① ウレタンニス仕上げ
ポリウレタン樹脂という化学的な硬い塗膜を塗布して、表面を覆ってしまう塗装。例えると、木の家具の表面にピッタリとラップを巻いたような状態です。
なので木のあたたかい手触りはなく、ヒヤッと冷たいポリウレタン樹脂の手触りになります。
ウレタン塗装を施すと、分厚く硬い塗膜を巻くことで木の呼吸を止めてしまうので、割れや反りが起こりにくくなります。 また分厚い塗膜に守られるので水に強く、キズや汚れが付きにくいので取り扱いがラクです。
●仕上がり感は?
・ 表面は樹脂特有の冷たい感触、艶有ニスの場合はツルツルに。
・ 分厚く硬い塗膜
●ウレタンニスにはどんな種類がある?
油性タイプと水性タイプがあります。油性ウレタンニスは硬い塗膜を作り、もっとも耐久性が高いニスです。屋内の木部や実用家具、ドアなど雨のあたらない屋外の木部などで使用するのに向いています。溶剤のにおいが強いため、作業中や乾燥中は換気が必要であったり、道具の洗浄に専用の薄め液を使わなければならないなど、扱いに注意が必要です。水性に比べて乾燥に時間がかかり、作業性で劣ります。
一方、水性ウレタンニスは水性で扱いやすいのに、塗膜が硬く保護効果が高い、バランスの良い種類です。テーブルやイスなど耐久性を求められる実用家具への塗装に適しているうえ、食品衛生法の安全基準に適合して木製の食器やカトラリー、トレーなどに安心して使えるものもあります。低臭で、使った道具は水洗いできるなど、DIYで幅広い用途に使える種類と言えます。ただし、刷毛塗りタイプしかなく、ムラなく上手に塗るにはテクニックが必要です。
種類)
・ 油性ウレタンニス(スプレータイプが手軽)
・ 水性ウレタンニス
② ラッカー仕上げ
ラッカー塗装とは、樹脂などを揮発性の高い溶媒(アルコールやシンナー)に溶かした塗料を使った塗装のことです。 塗装する際、樹脂を溶かしたアルコールやシンナーが揮発して、木の表面に薄い膜を作る塗装方法です。
ラッカー塗装は塗膜は薄いので、ウレタン塗装のような塗膜の強さはない反面、木の感触を少し感じることができます。(ウレタン塗装を1回分の厚みの塗膜を作るのに、ラッカー塗装だと約25回分必要です。)
季節にもよりますが、乾燥時間が20~30分程度と速いのが特徴です。
種類)
・ ラッカースプレー
ラッカーの仕上げ方
③ ワックス仕上げ
ワックス塗装は、オイル塗装と同様に表面に硬い膜をつくるウレタン塗装とは違い、木の質感を楽しめる塗装です。
しかし、オイル塗装のように木に浸透して木を保護するというより、木の表面にとどまって汚れから守る塗装といえます。
そのため、濡れ色にならず、無塗装に近いさらっとした仕上がりが得られます。
●仕上がり感は?
・ 濡れ色にならず、白い木は、その白さを活かせる。
・ 無塗装に近い、さらりとした仕上がり。 ●ワックスにはどんな種類がある? ワックスとは蝋のこと。ミツバチの巣から抽出する蜜蝋のように、動物性のものもあれば、カルナバ椰子の葉の裏から採取するカルナバ蝋、米ぬかから生成されるライスワックスなど植物性のものもあります。これらの蝋を原料にしたワックスには、原料100%の固体のものもあれば、オイルなど配合してより性能を高めたり、扱いやすいように液体、半練りのペースト状、エマルジョンなどの状態にしているものもあります。中には、溶剤を加えて塗りやすくしているものもあります。また、ビンテージ調に着色できるタイプもありオリジナリティを付加することができます。
種類)
・ 蜜蝋ワックス
・ カルナバ蝋ワックス
・ ライスワックス
・ OLD WOOD WAX(ビンテージ調に着色できるワックス)
・ BRIWAX (同上)など
OLD WOOD WAX 使用例
④ オイル仕上げ
天然油脂を使った「オイル塗装」。塗料を木材の表面から内部に浸透させて、木の表情をしっとりと浮かび上がらせることのできる仕上げです。 ウレタン塗装と違い、表面に硬い膜をつくらないので(つくってもごく薄い膜)、木本来の質感を活かすことができます。
●仕上がり感は?
・ しっとりと濡れ色な仕上がり。
・ 木目がはっきりと浮かび上がり、木の表情が活きる。
・ 木本来の色味を引き出してくれる。
●オイルにはどんな種類がある?
オイル塗装として最も重要なものは乾性油です。乾性油とは、空気中に放っておくと自然に乾燥する油のことです。
種類)
・ 乾性油各種(クルミ油、アマニ油、荏胡麻油、桐油、ひまわり油など)
・ オスモ(主成分:ひまわり油)
・ リボス(主成分:亜麻仁油)など
こちらの作品(右下)はクルミオイルを3度塗りして、深い濡れ色に仕上がったそうです。
⑤ 番外編
「カンタン・お手軽!」 …な作業ではありませんが、拭き漆による仕上げは耐水性もありとても美しく仕上がります。
塗装も素敵ですね。
柿渋も自然な感じで美しいですね。
お好みに合わせて、是非挑戦してみてください! 色々な作品例をインスタグラム上で投稿いただいています! 『#みんなのimk 』を是非ご覧ください。
(下の作品例は左右の矢印をクリックするとスクロールします。)
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