※ ステンレス鋼には黒錆び加工はできません。完成品として販売しているFEDECA『折畳式料理ナイフ』シリーズはステンレス鋼、銀紙三号を使用しているので、黒錆び加工はできませんのでご注意ください。
炭素鋼はステンレス鋼に比較し、刃が長持ちし研ぎやすい反面、赤錆が発生しやすいもの。 だったら、炭素鋼に黒錆をつけることで錆びにくく、かっこよくできたらいいですね。今回は黒錆び加工について紹介します。
※黒錆び加工により完全に赤錆を防ぐことはできません。使用後は必ず水分を取り除き、刃物用防錆オイルもしくはオリーブオイルを薄くぬって保管してください。
Carbon steel has a sharp edge and is easy to sharpen. So,many professional chefs and craftsmen love it. But it is easy to rust compared to stainless steel.
I will show you how to force a patina which can prevent red rust of carbon steel.
Force a patina on carbon steel knives
~黒錆をつける ~
赤錆の発生を抑える方法として、オイルを塗って水分を付着させないことと共に、
「黒錆をつける」という方法も有効です。
錆には赤錆と黒錆という2種類の錆があります。 赤錆は一般的に見られる鉄を腐食させボロボロにしていく性質をもっております。一方、黒錆は鉄の表面にできる酸化膜のことで、表面をこの酸化膜でコーティングすることで、赤錆の発生を抑えることができます。
これから黒錆をつける方法をご紹介します。 ちなみにステンレスには黒錆をつけることができません。炭素鋼のみ有効です。
WHAT YOU NEED -用意するもの -
・ 黒錆加工する刃物 carbon steel knife ・ お酢 Vineger 150cc ・ 紅茶 Black tea 600cc ・ パーツクリーナー (脱脂用) Degreaser ・ 針金 wire ・ 割りばし Stick ・ 乾いた布 Cloth
今回はIt's my knife folding のブレードに黒錆び加工を施します。
ブレードはステンレスに炭素鋼である青紙2号を割り込んだ仕様になっており、
刃先の炭素鋼の部分に黒錆びを付着させていきます。
まずは布にパーツクリーナーを吹付け、刃についた油分を拭き取ります。 一般的に脱脂用とされるクリーナー(例えば、シリコンオフなど)であればパーツクリーナーでなくても大丈夫です。
油分が残っていたら黒錆の付着にムラが生じるので、しっかりと脱脂していきます。
600ccの濃いめに入れた紅茶に、150ccのお酢を加えます。 分量は紅茶4に対してお酢1が目安です。
割りばしにくくり付けた針金に引っ掛けて、刃を紅茶酢に1時間ほど漬け込みます。 鋼の部分に小さな気泡が生じるとともに、黒い粒子が液体の中に浮遊し黒く濁っていきます。 酸化膜が形成されている証拠です。
1時間たったら引き上げます。 青紙の部分に黒錆がきれいにのっています。一方、ステンレスに黒錆がついていないのもわかります。
黒錆コーティングの刃も落ち着いた感じでかっこいいです。
暮らしにひと手間。
セラミック包丁など、錆びないしメンテナンスが簡単な道具があるにも関わらず、プロの料理人をはじめ今でも「青鋼」を愛用する人が多いです。
それは、研ぎやすくて刃が長持ちするという特性もさることながら、メンテナンスを通じて道具に愛着が湧き、刃が細くなるまで長く使えるということが愛される理由なのだと思います。刃物は料理と同じように、ほんのひと手間をかけることで、 使う程に愛着が深まる道具です。
自分で削って作るという過程を通して道具への愛着を持ってほしい。大切にメンテナンスすることで道具を大切にしてほしい。そんな願いにも似た想いをこめて作った「It's my knife」という商品は、簡単にものを捨てる消費社会に対する、私たち「FEDECA 」のアンチテーゼなのです。
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